片耳のオルゴールアーティスト日記

オルゴール作品の紹介や制作ウラ話などなど

新曲「Wish」~「オルゴールアレンジ」にはない「オルゴール曲」の面白さ

こんばんは。「片耳のオルゴールアーティスト」ゴリィです。

早速ですが、新曲ができました。今回はオルゴール曲なのに「作詞」をする「ゴリィスタイル」ではなく、歌詞がないオルゴール曲です。

タイトルは「Wish」。早速お聴きくださいましたら嬉しいです。

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さて、今回はこのオルゴール曲制作のウラ側についてお話しします。

 

原曲「夜明け」

実はこの曲「原曲」がありまして、2001年に僕が作曲した「夜明け」というタイトルです。

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ちなみに原曲は「著作権がゴリィにある」ことを明示すれば僕に言わずとも自由に使うことができる楽曲として公開しています。誰が使うんでしょうね(笑)

実はこのとき「オルゴール版」も同時に作成していました。なので「夜明けのオルゴールアレンジ」として公開するのが本来です。

では、わざわざ別タイトルにしたのは?

 

2つの旋律の掛け合いが仇に

この「夜明け」という曲は主旋律が基本的に2本あり(1本のトロンボーンが聴こえづらいが)、その掛け合いを「オルゴール版」でも再現していました。ただ、どちらも後悔する勇気がなく時は経ち2018年。YouTubeチャンネルの開設に合わせもとのほうだけ公開しました。

オルゴール版を公開しなかった理由は、「2つの主旋律の音がぶつかってキレイに音が鳴らなかったから」というものでした。

ただ、「いつかは手を加えて完成させよう」とはおもっていました。そして、その「いつか」が突然訪れたのですが、それが「普段では絶対にやらないとき」でした。

 

3.11と福島沖の地震

今年の「3.11」は福島のいわき湯本で迎えて、「温泉神社」というところから14:46のサイレンに合わせ、海に向かって黙祷を捧げました。

これまでは仕事中に時間を見て仕事の手を止めて黙祷。仙台も被災地なのですが、僕の住んでいるエリアはほぼ被害がなかったところなので、ずっと行きたかった「いわき」という場所で3.11を迎えられたのは特別な思いがありました。

そんな余韻を打ち壊すかのように、3/16に福島県沖の最大震度6強地震が発生。僕の住む仙台市青葉区は「震度5強」。ただ、わりと高層階に住んでいるのとそもそも集合住宅が建っているのが「軟弱地盤」のところのようで、いつも体感の震度はワンランク上。つまり「震度6弱」程度の揺れだった可能性もあります。

僕は、「地震恐怖症」です。幼少期(2歳半)に「1978年宮城県沖地震」に遭い、中学ぐらいまでの記憶はほとんどないのにこの地震のシーンだけは鮮明に覚えているので、どうやらこれがトラウマのようです。

度重なる余震(さっきもありました)で精神的に削られ、「地震うつ」の状態になりました。

それでも、なぜかこの曲のオルゴールアレンジを突然思い立ったのです。

 

「世の中が平穏な朝を迎えられますように」

もともとの「夜明け」という曲はこんな思いを込めて作りました。なので、原曲も穏やかな感じの曲になっています。

オルゴールアレンジもその感じで手直しを始めました。「2つの主旋律の重なり合い」はやめ、どちらかを主旋律にし、あとはハモる側に切り替えるようにし、一部は主旋律のメロディー自体も変えました。

最初は「夜明け」というタイトルも意識していましたが、打ち込み直しているうちに、「これ、『夜明け』じゃないな」と思い始めました。そこで、コンセプトが変わらないように制作を続け、完成したところで再度タイトルを考え直すことにしました。

で、いくつかの候補「希望」「願い」「祈り」等々でましたが、英語の「Wish」でこれらすべての言葉を網羅していることがわかり、タイトルが決まりました。

背景には、3/16の余震が早く収まってほしいという僕の本能だけではなく、3/16の地震被害から復興・復旧が早く進みますように、という思いもあります。

ウクライナ情勢ももちろん背景にあります。原曲を作った2001年は「9.11同時多発テロ」から「テロとの戦い」が起きており、「平和への願い」があったのは「夜明け」も「Wish」も共通だったといえます。

 

「Wish」の解釈は聞く側で決めていい

最後に、「『Wish』にはさまざまな意味がある」というのは前述のとおりで、僕はどういう意味でこの曲を捉えるかについては、この楽曲を受け取ってくれた(聴いてくれた)皆さんの判断にお任せします。

各自、きっと異なるでしょう。

「オルゴール曲」には「歌詞」がありません。ここが、「オルゴールアレンジ」と異なる点です。ふだん発表する「オルゴール曲」には裏で歌詞がありますが、(クイズ企画で問題として使用するときを除き)歌詞は公開しませんので、その分聴いてくださった側は自由に解釈ができます(曲のタイトルで少し縛りはありますが)。

「オルゴールアレンジ」ではない「オルゴール曲」にはこんな面白さがあると思います。

ぜひ、あなたの解釈で「Wish」を受け取ってくださいましたら嬉しいです。

 

「ゴリィの轟RADIO」では、「オルゴールアーティスト」活動の他、「こころの癒し」という意味で共通点が深い「カラーセラピーメンタルヘルス(こころいろ)」「親しみやすい防災啓発(トドろき防災)」「クイズ企画(街かどクイズ・ウキウキストリート)」などさまざまなジャンルの活動を集約しています。

こちらもご覧くださいましたら嬉しいです。

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今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました。